2012年7月23日月曜日

特別展「カラフトマスの不思議」はじまりました!!

ヘラジカのオスの大きすぎる角やクジャクのオスの目立ちすぎる羽・・・。
動物のなかには、オスとメスで見た目がことなり、生きていくうえで明らかに
不利とおもわれる形態も少なくありません。
かの有名な生物学者、チャールズ・ダーウィンはこれらの現象を著書「進化論」の中で、
性選択説によって説明しました。つまり、これらの形質は配偶者を獲得するうえで有利であり、
生存上の不利益を上回る大きな利益を個体にもたらすと考えたのです。

繁殖期にメスをめぐって、オス同士が激しく戦うヘラジカのオスは2mを超す角を
はやし、クジャクのオスはダンスや美しい羽で盛んにメスをひきつける・・・。

そんなダーウィンの進化論を実感させてくれる好例として、繁殖期におけるカラフトマスの
雄の鼻曲りやせっぱりがあげられます。繁殖期が近づくと、オスの下あごと上あごは伸び、
歯は犬の犬歯のようにするどく伸び、背中はぼっこりと盛り上がります(これをせっぱりという)。

流線型だった繁殖期前の体に比べて、せっぱりは水中の抵抗が大きく、バランスが悪い。
浅瀬で座礁しやすく、でっぱった背中がめだち、ヒグマなど外敵から捕まりやすいなどなど・・・。
いろんな不都合がある反面、いざ産卵場所でメスをめぐって、ほかのオスと
戦う場面になると一転、せっぱりや鼻曲りは大きな武器となります。

今回の特別展ではそんなカラフトマスのダイナミックな体の変化にスポットをあて、
「なぜ、せっぱるのか?」
また、北海道大学・工藤研究室の方々にご協力いただき
産卵前のわずか1か月たらずの間にカラフトマスの体に起こる劇的な変化
について、生理学的、解剖学的な観点から
「どうやってせっぱるのか?」
という謎に迫りたいと思います。 (K.N)  
受付スタッフお手製のポスター

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