標津サーモン科学館オリジナル「鮭鱒湯呑」をご購入いただき(もしくは興味をもっていただき)ありがとうございます!
この商品には様々なサケの仲間の漢字が書かれているのですが、中には
「なんじゃこりゃ⁉」
と思うような漢字があるかもしれません。
そのため漢字の読み方と生き物の簡単な解説をします!
「自力で解読したい!」
「買ってから楽しみたい!」
という方はネタバレを含みますので、ここでブラウザバックをしてくださいm(_ _)m
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ではでは、、、
この湯呑に登場する漢字はこちらです↓
※常用漢字以外も含むため、デバイスによって表記できない漢字があります。
鮭秋鮭秋味
時不知鮭児
樺太鱒青鱒
銀鮭鱒之介
桜鱒山女魚
五月鱒天魚
琵琶鱒口黒
桜花鉤吻鮭
紅鮭姫鱒鮏
虹鱒喉切鱒
黄金鱒茶鱒
川鱒川姫鱒
𩹷知來雨鱒
蝦夷岩魚𩸶
日光岩魚鯇
樺太岩魚
北極岩魚
信濃雪鱒
大西洋鮭
こう並べると暗号のようですね…
レイアウトの関係でスペースがないのも、読み難さを更に加速させている要素です。笑
【読み方】
では、まずは読み方から。※漢字の区切るところでスペースを空けています。
鮭 秋鮭 秋味 さけ あきさけ あきあじ
時不知 鮭児 ときしらず けいじ
樺太鱒 青鱒 からふとます あおます
銀鮭 鱒之介 ぎんざけ ますのすけ
桜鱒 山女魚 さくらます やまめ
五月鱒 天魚 さつきます あまご
琵琶鱒 口黒 びわます くちぐろ
桜花鉤吻鮭 ※後ほど解説
紅鮭 姫鱒 鮏 べにざけ ひめます さけ
虹鱒 喉切鱒 にじます のどぎれます
黄金鱒 茶鱒 おうごんます ちゃます
川鱒 川姫鱒 かわます かわひめます
𩹷 知來 雨鱒 いとう ちらい あめます
蝦夷岩魚 𩸶 えぞいわな いわな
日光岩魚 鯇 にっこういわな あめのうお
樺太岩魚 からふといわな
北極岩魚 ほっきょくいわな
信濃雪鱒 しなのゆきます
大西洋鮭 たいせいようさけ
いかがでしょう?全部読めましたか?
(桜花鉤吻鮭以外)全部読めた人はスゴイです!
【解説】
かなりマイナーな種や呼び名を含んでいますので、簡単に解説していきます。全部じっくり解説すると、とんでもない文量になるので解説はあっさりといきます!笑
・鮭(さけ)秋鮭(あきさけ)秋味(あきあじ)
全部“サケ(シロザケ)”のことで、この魚のことを「シャケ」と呼ぶ人もたくさんいます。「あきあじ」は北海道で広く親しまれている地方名です。
・時不知(ときしらず)鮭児(けいじ)
種は上記の“サケ”と同じですが、獲れる時期や成熟度合で呼び名が変わるのもサケの面白いところ。両者とも高級なサケです。
・樺太鱒(からふとます)青鱒(あおます)
“カラフトマス”とその地方名の“あおます”。標津の漁師さんは青鱒と呼ぶ人が多いです。
・銀鮭(ぎんざけ)鱒之介(ますのすけ)
“ギンザケ”と“マスノスケ”。マスノスケを知らなくても、マスノスケの英語名「キングサーモン」なら聞いたことがある人も多いかもしれません。
・桜鱒(さくらます)山女魚(やまめ)
“サクラマス”と、サクラマスの降海前の幼魚・河川残留型の呼び名である“ヤマメ“。
・五月鱒(さつきます)天魚(あまご)
“サツキマス”と、サツキマスの降海前の幼魚・河川残留型の呼び名である“アマゴ“。
・琵琶鱒(びわます)口黒(くちぐろ)
琵琶湖とその流入河川に生息する“ビワマス”。
口黒は冬に獲れるサクラマスの未成魚やマスノスケのことですが、ほとんどの場合は前者を指すことが多いようです。余談ですが館長と僕はこの「口黒」が食べて一番好きなサケの仲間です。
・桜花鉤吻鮭
台湾に生息する “タイワンマス”の台湾での表記。日本に生息する“サクラマス”や“ヤマメ”を繁体字で訳する際にも、この漢字が使われることがあるようです。読み方は発音的にカタカナ表現することが難しいです。タイワンマスは日本のヤマメ(サクラマス)に近い仲間で、“サラマオマス”とも呼ばれます。
・紅鮭(べにざけ)姫鱒(ひめます)鮏(さけ)
“ベニザケ”と、ベニザケが海へ降りず湖で生活しているタイプの“ヒメマス”。
「鮏」という漢字はサケを指します。古くはよく使われていたようですが、現在はほとんど「鮭」が使われることが多いです。
・虹鱒(にじます)喉切鱒(のどぎれますorのどぎります)
“ニジマス”。喉切鱒は“カットスロートトラウト”の日本語表記。下顎の下辺に赤い模様があり、カットスロート(喉切れ)の名前の由来になっています。どちらも海外原産の魚です。
・黄金鱒(おうごんます)茶鱒(ちゃます)
サケの仲間“ゴールデントラウト”と“ブラウントラウト”の日本語表記。どちらも海外原産の魚です。
・川鱒(かわます)川姫鱒(かわひめます)
“カワマス(ブルックトラウト)”と“カワヒメマス(グレーリング)”。どちらも海外原産の魚です。
グレーリングは北半球北部に広く生息しています。日本に生息しておらず流通することもまず無い魚なので、知らない方も多いのでは⁉
・𩹷(いとう)知來(ちらい)雨鱒(あめます)
“イトウ”と、イトウのアイヌ語名である“チライ”。
“アメマス”は北海道全域や東北地方に生息するイワナの仲間です。
・蝦夷岩魚(えぞいわな)𩸶(いわな)
“エゾイワナ”は東北地方や北海道に生息するイワナの仲間で、アメマスの河川型です。
「イワナ」という魚を指す漢字は多くあり、「𩸶」の他にも「岩魚」「嘉魚」「鮇」など様々な漢字があります。
・日光岩魚(にっこういわな)鯇(あめのうお)
“ニッコウイワナ”は日本各地に生息するイワナの仲間です。
「アメノウオ」は現在では“ビワマス”を指すことが多いですが、サツキマス(アマゴ)を指すこともあります。古い書物には“アメマス”のことを指す漢字として書かれたものもあります。
※「鯇(アメノウオ)」は中国原産のコイの仲間である“ソウギョ”を指す場合もあります。
・樺太岩魚(からふといわな)
「カラフトイワナ」は、北海道に生息するオショロコマの別名です。あまり使われていない呼び方で、この呼び方をする人とはほとんど会ったことがありません。
・北極岩魚(ほっきょくいわな)
北極圏を含む、日本よりも高緯度帯(北の方)に生息するイワナの仲間です。
・信濃雪鱒(しなのゆきます)
サケの仲間のコレゴヌスというグループの魚で、海外原産の魚です。元々はこのコレゴヌス属の複数種の魚の総称として使われていましたが、近年はmaraena(マレーナ)を指すことが多いようです。
・大西洋鮭(たいせいようさけ)
“タイセイヨウサケ”は海外原産のサケの仲間で、回転寿司やお刺身のサーモンとして、日本人にも馴染み深い魚です。英語名の「アトランティックサーモン」という名前で見かけることも多いです。
【開発秘話】
この湯呑を作るにあたって、苦労したことが2つありました。
・1つ目が文字数の調整です。バラバラではなく整然と並んでいる方がカッコイイのですが、一行を5文字or 4文字に統一するのは大変でした。
さらに分類や生息地など、ある程度繋がりのある魚名を組み合わせたいなど中の人たちのこだわりが強いせいで、限りあるピースの中で難解なパズルになりました。
・2つ目が採用を見送る漢字をどれにするか悩ましかったことです。
本鱒、真鱒、小口鱒…etc
まだまだ採用したい漢字があったのですが、レイアウトの問題で泣く泣く採用を見送った漢字もあります。僕の採用したい漢字を館長に却下されそうになった際にはゴネて無理やり採用しました。サケ・マスには熱狂的なファンも多いので「俺の好きな〇〇がねぇじゃないか!」というお叱りの声が来ないかも危惧しています…。
この湯呑の作成にあたり複数の図鑑や古い書物等、改めて様々な資料を調べました。サケの仲間はこれだけ多くの魚種に漢字があり、1魚種であっても複数の呼び名と漢字のある魚もおり、古くから人々にとって馴染み深く、生活に寄り添った魚だったのではないのかなぁと感じました。
お家でお茶を飲むとき。オフィスで一息つくとき。あるいは話のネタとして。みなさんの生活に寄り添って使っていただける湯呑になれば嬉しいです!
学芸員I.N
