2019年4月28日日曜日

特別展:「鮭の聖地」の物語

文化庁では、「我が国の文化・伝統を語るストーリー」を「日本遺産」として認定しています。
*「日本遺産」について → 文化庁サイト
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「日本遺産(Japan Heritage)」は地域の歴史的魅力や特色を通じて,我が国の文化・伝統を語るストーリーを「日本遺産(Japan Heritage)」として文化庁が認定するものです。
ストーリーを語る上で欠かせない魅力溢れる有形や無形の様々な文化財群を,地域が主体となって総合的に整備・活用し,国内だけでなく海外へも戦略的に発信していくことにより,地域の活性化を図ることを目的としています。
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標津町を中心とする根室管内1市4町(標津町・根室市・別海町・中標津町・羅臼町)では、この日本遺産認定に向けて、取り組んでいます。

今回、標津サーモン科学館の特別展では、



「日本遺産認定に向けて 「鮭の聖地」の物語  ~ 根室海峡一万年の道程 ~」
と題し、この日本遺産認定を目指す取り組みを紹介しています。
*制作:根室管内日本遺産認定推進会議



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標津町内ポー川流域にある「標津遺跡群」は、1万年前から17世紀にいたるまで途切れることなく人々が暮らした地であり、ここからはあらゆる時代の竪穴から鮭の骨が見つかります。 根室海峡に面するすべての河川には鮭が遡上し、それぞれの地に暮らす人々も、鮭を利用してきたのでしょう。
江戸時代のこの地では、アイヌと和人、さらにはロシア人との交流や衝突があり、日本東門の国境警備と開拓を担った会津藩士の墓が、今も野付半島に残されています。
明治時代には、その資源をもとに製造された鮭缶詰が、世界市場へ輸出されるほどでしたが、その後水揚げが低迷した時代が続き、鮭だけでなくホッカイシマエビや昆布など多彩な漁業へ幅を広げます。
また、漁の傍ら畜産農業も行われるようになり、広大な大地の開拓、酪農産業へ発展していきます。それを支えるために、植民軌道や標津線といった内陸交通も不可欠でした。
昭和40年代以降、人工ふ化増殖事業によって鮭漁の水揚げも回復、一大生産地となっています。
その鮭を利用する食文化も、鮭トバや山漬け、飯寿司に代表される古くからの手法が脈々と現在まで引き継がれています。
1万年前から現在まで、この地の暮らしの中心には鮭があり、鮭に笑い、鮭に泣き、そして誇りがあふれた「鮭の聖地」。
「鮭」をストーリーの中心に据え、この地に暮らす人々の歴史と文化を見つめ、地域内の文化財と併せて紹介します。



というような内容を、パネル展示で紹介しています。
また、お子様でも楽しめるように、



クイズも作成しましたので、チャレンジしてみてください。

関連して、
4/27から東京「渋谷ヒカリエ」で開催されている
「Fermentation Tourism Nippon 〜発酵から再発見する日本の旅〜」

全国各地に受け継がれる発酵食品もまた、その地の風土と人々の営みを背景に受け継がれてきた文化です。
各地の発酵食品を求めて、47都道府県を発酵デザイナーの小倉ヒラクさんが旅され、各都道府県7の発酵食品を紹介されています。
北海道代表は「山漬け」。
標津へ取材のため来町された折、標津サーモン科学館でも情報提供させていただきました。

『いつ、どこでも望むものが手に入る自由のなかでは工夫の知恵は生まれません。理不尽な制限のなかでこそ、日本に生きる人々の創造性が育まれてきたのです』
「記憶の方舟。展覧会オープニングイベントのスピーチ原稿」から

お近くの方、ご興味ある方は、ぜひ足を運んでみてください!

(T.N.)

☆ 4/27~5/6「サーモンパーク春まつり」開催中! ☆

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ヨロシクネッ♪ 

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