2017年8月31日木曜日

カラフトマス遡る川

お盆が過ぎた道東沿岸ではカラフトマスの来遊期を迎えており,当館の「海水大水槽」においても,標津の前浜で捕れたカラフトマスを多く展示しています。
本種は繁殖期が近づくにつれ,オスの背中が異様に盛り上がるという二次性徴でもお馴染みですね。


カラフトマス♂:海水大水槽

他のサケマスと同様,カラフトマスは北海道において重要な水産資源であり,古くから人工ふ化放流が行われています。近年の北海道(以下,北方領土を除く)からの年間放流数は1億尾から1億5千万尾ほどです。

近年では北海道や他地域から放流されるカラフトマスの相当数に標識が施され,その数が記録されているため,来遊したカラフトマスにどの程度標識魚が混じっているかを調べれば,放流魚(と野生魚)の割合が推定できそうです。実際,そのような調査研究が関係機関によって行われています。

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こういった調査の中で、北海道沿岸に来遊するカラフトマスは、人工ふ化由来の放流魚だけではなく、自然産卵由来の野生魚も数多く存在するという可能性が指摘されています。


*このカラフトマスは,道北の非放流河川近くの沿岸(河口規制無し)で釣獲したものです。

人工ふ化放流に加えて,彼らの繁殖場である河川の環境も大切にすることが,カラフトマス資源を維持するには重要でしょう。


*道北の非放流河川に遡上したカラフトマスの群れ


明日9/1から,館内「魚道水槽」での遡上展示が始まります。今年も力強く泳ぐカラフトマスの姿が多く見られるといいですね。





魚道水槽を遡上するカラフトマス(過去の画像)

(T.T.)

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