アウトドアレジャーも楽しい季節、海へ出かける方も多いのではないでしょうか?
そんな方は、現在標津サーモン科学館で開催中の、特別展「しべつ『海の公園』へ行こう!」 をチェックしていただきたい!
標津漁港南側に整備された「海の公園」には、キャンプ場・釣り堤防・バーベキューが楽しめる「標津番屋」など、「海を楽しむ」ための施設がひと通りそろっています。
気軽に磯遊びが楽しめるビーチもあり、カニや小魚と戯れることもできます。
今回の特別展では、そんな「海の公園」を遊びつくす情報をまとめて紹介しています。
展示スペースの一角には、イソガニ類を展示した水槽と、藻場をイメージしイソバテングの稚魚をメインとした水槽を設置していますが、
今回は、この「イソバテング水槽」について、紹介します。
今回長文、お付き合いください。
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ケムシカジカ科に属する不思議な風体の魚。
「さちこ」という地方名で呼ばれることもあります。
成魚で20cmほどになり、時折沿岸定置網に入ることもあります。
私は、この魚に何ともいえない魅力を感じているので、船上で出会うと確保してくるのですが、定置網で漁獲されたイソバテングは、展示してもなかなか長持ちしない印象でした。
数年前、標津漁港で停泊中の漁船の船底をうろつく稚魚を見つけました。
こんな感じ(画像赤丸内にいます)
わりと泳ぎが鈍いので、網でgetできたことが事の始まり。
以降、見つける度にgetしてきては、小さな水槽で展示していました。
イソバテング稚魚
さらに、春から秋にかけて、イサザアミ(おそらくエゾイサザアミ)が漁港の岸壁で黒雲のように群れていることがあり、これを掬ってきてエサとすることで、この稚魚を飼育・展示できる手応えを感じました。
さらに観察と経験を重ねることにより、イソバテングの稚魚は、
・5~6月頃、漁船やロープ、ブイの周り、流れ藻の周りをうろついていることが多い
という知見を得、さらに、
・もじゃもじゃとした流れ藻についていることが多い、
・稚魚を目視できなくても、藻ごと網ですくってみると、たいてい採れる
ということが分かってきました。
こんな感じ(画像赤矢印の先にいます)
経験値をあげたことにより、今年は、6月まででそれなりの数のストックを抱えました。
(7月に入ると成長して流れ藻から離れるのか、目にする機会が減りました)
飼育・展示の方も、ここ数年の経験で、ある程度のメソッドをつかんできた感触がありました。
これらの知見を表現した水槽を作りたいという企みと、今回の特別展企画がマッチング!
「海の公園」の磯場で暮らす魚というイメージで、イソバテングの稚魚をメインとした水槽を立ち上げることに。
水槽内にイソバテング稚魚がよくついている海藻を水の流れも考慮して配置、イソバテングとイサザアミを投入。
最初は戸惑っていたイソバテングも、思惑通り海藻についてくれました
海藻に隠れるイソバテング
エサでもあるイサザアミ
時折、イサザアミをパクつく様子も見られます。
食用重要種ではないイソバテング、一般的に注目されることが少ない魚です。
(見ててかわいい魅力的な魚だと思いますよ、私は。)
この海にこんな魚が暮らしているということ。
この海藻に隠れて、暮らしているということ。
黒雲のように泳ぐイサザアミは、いろんな魚たちのエサになっていること。
彼らが海の中で暮らす様を目にしたことがある方は、一部のダイバーさんなどを除けば、
ごくわずかなのではないでしょうか。
私が日々のフィールドで、見て、採取して、肌で感じたこと、
それを「水槽」という限られた空間の中に再現し、見せるということ。
そんな「見せたい世界」を表現した入魂の水槽です。
見事なカモフラージュ
(T.N.)
ヨロシクネッ♪
◎標津サーモン科学館では、清掃・受付スタッフを募集しています。
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