が!
本日ついに標津にも雪が!
サーモン科学館でも膝上まで粉雪が積もっていて、さらに風とともに雪が降り続いています。
テレビから流れる道内各所のニュースの影響もあり、こんな日は出勤したスタッフもそれぞれの仕事をこなしながら、自分の命の安全を考えピリピリしながら雪の様子を眺めています。
午後からはもっと雪が降るかもという話も聞こえ、できればそれぞれの作業を効率化し、早めに切り上げたいところ・・・。
とは言え、生き物を飼っている方々ならほとんどの方が経験済みと思いますが、飼育作業の効率化、簡略化はたいへん魅力的な反面、どの生き物にも「最低限守らなければならないお世話レベル」があります。これを破ってしまうと、それはただの「手抜き」になってしまい、飼育していた生き物が病気になったり死んでしまったりすることになります。
記事を書いている私自身も熱帯魚ビギナーの頃を思い出すと、「効率化、簡略化」の魅力の虜になってしまって、つい「絶対防衛ライン」を超えてしまい、何度も失敗した記憶があります。
本日は、そんな絶対防衛ラインの中でもたいへん分かりやすいエピソード。
それは・・・
池の氷割りです!
サーモンパーク内の池には冬の間もアヒルが暮らしており、池の表面が凍ってしまうと、その氷の上をミンクやキツネが歩いてきてアヒルを襲ってしまうことがあります。それを避けるために、この時期サーモン科学館のスタッフは池の氷を割っています。
とは言え、既に氷の厚さは10cmを超えていて、そう簡単には割れません・・・
そして大きな池全体の氷を割るのは一日かかっても不可能です。その上、一部分は池に流れ込む水のお陰で凍らずにすんでいますが、気温が氷点下の日が続くので氷は日々成長していきます。
毎日徐々に氷が拡大し、池が全氷結するのは避けなければなりません。
そこでスタッフが頑張っているのが・・・
絶対防衛ラインを超えさせない!
です。
池の中に「これ以上は凍らせないぞ」という目標ラインを設置しておいて、毎日なるべくたくさん氷を割っておきます。元旦などのお休み明けや、館内で大きな作業があって氷割りができなかった日には、氷が絶対防衛ラインに迫ってきますので、すぐに氷割り作業を行って、氷の浸食を押し返します。
これを可能な限り毎日繰り返して、アヒルの生活ゾーンを確保しているのです。
言い換えれば、氷を割ってアヒルの生活ゾーンを確保することが、サーモンパークの池でアヒルを飼育する絶対防衛ラインというワケです。
氷結した池に入って氷を割るのは、体が芯まで冷えてきて、辛く、過酷な作業ですが、時折アヒルが編隊を組んでスタッフの後ろを着いてきます。
毎日餌をあげているから懐いてくれたのかなと思ってほのぼのとする瞬間なのですが、実はアヒルの立場から考えると必ずしもそうではありません。
アヒルの様子をよ~く観察してみると・・・、
溶けた氷に閉じ込められていたわずかなコケを食べています!
そうなんです。毎日餌はあげているものの、アヒルたちは池の中のコケや水草、昆虫なども食料にしています。そんな天然の餌がほとんど食べられない冬の間、アヒルたちは毎日お腹を空かせて春が来るのを待っています。
そして氷割り作業が始まると、その隙間から得られるわずかな食料を求めてスタッフの後ろを追いかけて回っているんですね。
これから寒い季節が続きますが、なんとかアヒルの絶対防衛ラインを守って次の春を迎えさせてあげたいと思います。
追伸
池の氷割り作業をやっていると、お散歩に来た地元の方々が「頑張って下さい~」と声をかけて下さいます。
そんな時、スタッフは地域の皆様の優しさに触れたようで、とても嬉しい気持ちになります。
これからも絶対防衛ラインを守りながら、サーモン科学館の生き物を大切に飼育していきたいと思いますので、今後もどうぞ応援をよろしくお願い致します。m(_ _)m
(M.O.)
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