2013年2月10日日曜日

チョウザメ、来たる!!

一昨日夜半からの暴風雪、昨日は標津周辺でもあちこちの道路が通行止めになり、あいにくの3連休初日となりました。そんな中でもご来館いただいた皆様、ありがとうございました。


嵐が過ぎ去った本日。

展望室から

高さ30mの展望室からは国後島がくっきりと見え、その手前、根室海峡にはシャーベット状の流氷帯が日に照らされ白く輝いていました。連休中日ということもあり、ご来館いただいた多くの皆様にご覧いただくことができましたよ。


話は少し遡りますが・・・

2月7日、14時ごろでしょうか。
隣町羅臼の漁協の方から、「チョウザメが捕れたんだけど…」という電話。
生きている状態とのことで、大急ぎで向かうこととなりました。


この画像で、
わっかるかな~?? わっかんねぇだろうなぁ~??


無事収容し、サーモン科学館へトンボ返り。

チョウザメの到着を待ち構えていた学芸員。一目見るなり、

「ミカドじゃん!!!!!!」

当館で飼育している成体(大人)のチョウザメは、ダウリアチョウザメという種類。
ロシアアムール川で産卵し、その後海に下り回遊する生態をもち、北海道沿岸でも稀に捕獲されます。これまでに、サーモン科学館に持ち込まれたのもほとんどダウリアチョウザメ。

一方、ミカドチョウザメは、明治時代までは石狩川や天塩川で産卵していたものの、現在では北海道では絶滅(日本原産絶滅種)したとされ、ロシア沿海州の一部で細々と産卵しているのみと推定されています。北海道沿岸まで回遊してくることはあるようですが、確認・捕獲されるのは、ごく稀なこと。


左:ダウリアチョウザメ・右:ミカドチョウザメ

私も羅臼の漁港で一目見たときに「ん?」と思ったのですが、

・口先が長くとがっているダウリアチョウザメに比べると、ミカドチョウザメの口先は、短く丸っこい
・背中は黒っぽい色のダウリアチョウザメに対して、ミカドチョウザメは茶色っぽい
・ミカドチョウザメは、全体的に丸太のような寸胴な体型

という外見上の違いがあります。

現在は、バックヤードに収容し、様子を見ているところ。
3日ほど経ちますが、落ち着いてきてくれたように感じます。

*メディアに珍魚ネタを出すと長持ちしないというジンクスを、取り払わねば!!

ご連絡いただいた羅臼の漁師さん・漁協の皆様、ありがとうございました。
また、よろしくお願いします。

*チョウザメに関する記載は、共同研究を行っている「北海道大学大学院水産科学研究院・海洋動物生殖学領域・淡水増殖学研究室」のサイトを参考にさせていただきました。担当されている教授は、今回のミカドチョウザメ捕獲の一報を聞いて、大興奮だったそうです(電話した学芸員談)w

(T.N.)

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