この魚はサケ科コレゴヌス亜科コレゴヌス属の日本にはもともと生息していない魚で、
北米など英語圏では「ホワイトフィッシュwhite fish」と呼ばれています。
ホワイトフィッシュの仲間は北緯50度以北の北米大陸、フィンランドなど北欧諸国や
ロシアの湖沼を中心に生息しています。
長野県ではこの近縁種を「シナノユキマス」という名前で養殖がおこなっています。
サーモン科学館内で展示しているホワイトフィッシュのはく製 |
2月中旬に発眼卵を郵送していただき、育て始めましたが・・・
育ててみるとなかなか難しいことがわかってきました。
卵はワカサギ並みに小さく、直径2mmほど。ちなみに、サケの卵は7mm前後あります。
卵がとても小さいために、管理がとても難しく、サケの卵のように、
1粒ずつ卵をつまむといった検卵をすることが容易ではありません。
その問題をクリアするために、長野水試さんでは一升瓶のような形をしたふ化器を特注で制作し、その中に卵を入れて育てています。
サーモン科学館ではそのようなふ化器はないので、「ハッチングジャー」と呼ばれるふ化器で代用しています。上から流し込んだ水が、真ん中の筒を通って底から上に向かって沸き上がり、卵をほどよく撹拌し、卵に常に新しい水がいきわたることと、水カビが卵表面に付着するのを防ぐ効果があります。
ハッチングジャー(容器の底から水が沸きあがる仕組みになっている) |
また、ふ化させてみて驚いたのが、他の多くのサケ科魚類の卵はふ化してもすぐには浮上せず、
お腹にある卵黄のうから栄養を吸収して、2週間ほどはエサを食べずに、川底などでじっとしているのですが、ホワイトフィッシュの仲間はふ化後すぐに浮上し、驚いたことに数日中にエサを食べ始めるのです。
右上:ホワイトフィッシュの仔魚 左下: ニジマス仔魚 |
上の写真のように、ニジマスの仔魚と比べるとその差は一目瞭然!
これだけ小さいと、エサも小さいものにしなくてはなりません。
まずはさけます用の初期餌料をごますりでさらにすりつぶして、細かくし、
さらにそれを小分けにして1日4回以上のエサやりをおこなうことが重要なのだそうです。
ここ数日、仔魚たちは食欲旺盛で毎日モリモリ食べて・・・
体つきがしっかりし、より魚らしくなってきた気がしますw
現在はまだバックヤードでの飼育のみですが、
もう少し大きくなったら、皆さんにご覧いただけるよう展示したいと思いますw
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