2014年8月13日水曜日

思い出の水族館


 所用で故郷の九州に帰省しました。
 季節はまさに、気温30℃を上回る7月末。真っ白い入道雲の間から透き通るような青い空が覗く初夏のお天気でした。
 用事を済ませた後の道すがら、海の中道海浜公園まで足を伸ばして「マリンワールド海の中道(海の中道海洋生態科学館)」を見学してきました。







 北九州市出身の私には、マリンワールドは思い入れの深い水族館です。
 マリンワールドがオープンしたのは私がまだ子供の頃で、当時、半分が工事中のままでのオープンでした。その後、訪れる度に少しずつ完成に近づいていったように記憶しています。自分の成長に合わせて水族館もできあがっていくようで、何となく思い入れのある水族館です。
 マリンワールドは「内容が濃い水族館」なので、何度訪れても楽しめる水族館です。私も福岡に用事がある度に足を運んでいます。




 館内に入ると、いつも私が足を運ぶのは、故郷の福岡県を代表する二つの海の展示です。



玄界灘水槽



有明海の資料



 両海は、それぞれ特殊な環境の海で、複雑な生態系に支えられて極めて豊かな生物多様性が維持されています。
 それらの海に住む生き物の様子や、そこで活躍する漁具の紹介は一見の価値があります。






 そして今回は、北の海の水槽もじっくり見学させていただきました。
 立派な昆布が優雅に漂う中、サーモン科学館でもお馴染みのオオカミウオやフサギンポ達がたくさん顔を覗かせていました。
 ひとつの水族館で、日本の南と北の両方の海の様子を見ることができるのは素晴らしいですね。



 その他にも、館内には至る所で工夫が凝らされています。






 有名なダイオウグソクムシの側には、不気味な雰囲気に合わせて鎧武者のイラストが添えられており、ダイオウグソクムシの名前の由来が説明されています。






 どの水族館でも普段は石の隙間に入り込んでしまってじっくり観察できないウツボたちですが、スケスケの真下から隠れている様子が丸見えになっていまたw






 同じく穴の中に潜って暮らしているアナジャコですが、こちらは横側がスケスケです。
 普段、穴の中ではどんな様子なのか、じっくり観察することができました。






 お魚なのに水から上がって暮らすミナミトビハゼ。湿った陸上で暮らす様子が分かるように、水槽内に可愛らしいテーブルがデザインされています。
 いずれの水槽も、生き物の名前の由来や性質がよく分かるようにデザインされていて、スタッフの皆さんの展示に懸ける情熱に感動してしまいました。



 一方、館内マリンサイエンスラボでは特別展「マリンワールドの奇妙な特別展」が開催されていて・・・、






 サメの歯やイルカの頭骨・・・、






 珍しいジンベエザメの胎児の標本や・・・、






 有明海のエイリアンことワラスボ等、きみょぉ~な物体が展示されていました。
 滅多に見ることができない貴重な標本ばかりですが、ちょっと不気味な雰囲気と相まってドキドキの体験でした。



 さて・・・、マリンワールド海の中道は、今年でオープン25周年になるそうです。
 水族館の玄関には、マリンワールドから25年間分のメッセージが展示されていました。






 きっとこの25年間で様々な生き物がマリンワールドにやって来たことでしょう。その命に対して、マリンワールドのスタッフの皆様がずっとずっと、そして今も真摯に向き合っていることが伝わってきました。
 私も水の中に住む生き物たちが見せてくれる素晴らしい姿を、たくさんの方々に伝えたくてサーモン科学館に勤めました。これからも、マリンワールドからのメッセージを見習って、サーモン科学館にやってくる生き物たちの命に対して、一生懸命取り組んでいきたいと思います。

 何年かぶりのマリンワールドの訪問でしたが、なんだか生まれ故郷の水族館から熱いエールをいただいたような気持ちになりました。



(M.O.)

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